CathWorks FFRangio®システム

当院では、2022年に沖縄で初めてAI(人工知能)を活用した診断ツール「CathWorks FFRangio®システム」を導入しました。このシステムは、予定されている冠動脈造影検査の画像をもとに、血管の立体的な(3D)モデルを作成し、血流の状態を詳しく解析します。
この解析により、どの血管がどの程度狭くなっているか、そしてその狭窄が治療を必要とするかどうかを、医師が正確に判断するための情報が得られます。つまり、ステント治療が本当に必要かどうかを、より確かな根拠をもって決定できるようになります。

検査の流れ

❶ 造影画像の取得

  通常の冠動脈造影検査で撮影された画像を使用します。

 画像のアップロードと処理

  撮影された画像をFFRangio®システムにアップロードし、AIが血管の3Dモデルを作成します。

❸ 血流解析の実施

  血管内の血流抵抗を計算し、狭窄部位の血流低下の有無を評価します。

➍ 結果の表示と診断支援

  医師は解析結果をもとに、ステント治療の必要性などを含めた治療方針を判断します。

安全性について

・身体への負担が少ない

  FFRangio®は非侵襲的な検査です。カテーテルや薬剤投与を行わずに血管の状態を評価できます。

・追加の検査は不要

  造影検査の画像を使用するため、検査時間が延びたり、痛みが増えたりすることはありません。

・副作用の心配がない

  薬剤を使用しないため、アレルギーや副作用のリスクがありません。

信頼性について

AIによる高精度な解析

  AIが血管の3Dモデルを作成し、血流の流れをシミュレーションすることで、治療が必要な部位を正確に判断します。

・医師の診断をサポート

  解析結果は、ステント治療の要否などを判断するための重要な情報となります。

・世界中の医療機関で導入

  FFRangio®は国内外の病院で導入されており、多くの臨床研究でその有効性と安全性が確認されています。

医師からのメッセージ

循環器内科副部長
知念 敏也 先生

心臓の血管が狭くなっているかどうか、そしてその治療が本当に必要かどうかを判断することは、とても大切です。
当院では、AIを活用したFFRangio®検査を実施しています。この検査は、冠動脈造影検査の画像を使って、血管の状態や血流の流れを詳しく調べることができます。ガイドワイヤーや薬剤を使わないため、体への負担が少なく、痛みもありません。追加の処置は必要なく、検査後すぐに結果がわかります。
患者さんが安心して検査を受けられるよう、私たち医療スタッフがしっかりとサポートいたします。ご不安なことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

学会発表資料