病院指標

令和3年度 浦添総合病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数 

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 20 94 145 198 522 796 1,284 1,587 1,470 447

2021年度に当院を退院された患者さんの年齢階級別患者数です。

当院は地域医療支援病院であり、地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しておりますが、2021年度の退院患者数6,563人の73.0%を60歳以上の患者さんで占めており、高齢者の入院が多い傾向があります。

10歳未満、10代の若年層は骨折など整形外科的手術が必要となる患者さんが多い傾向となっております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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診療科別に患者数の多い疾患について、診断群分類コード別に示したものです。該当患者数が10名未満の場合は、規程によりハイフン(-)にて表記しております。「転院率」は、転院症例数/全退院数として算出しており、%(パーセンテージ)表示となっております。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 85 13.76 13.14 16.47 78.35  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 77 14.96 20.57 18.18 82.36  
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 63 15.51 19.22 22.22 80.1  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 28 15.68 13.07 21.43 73.21  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 9.21 7.22 70.68  

当科に入院される患者様の多くは、近隣の老健施設や高齢者福祉施設に入居されている方や、御家庭で介護を受けている高齢者の方ですが、中には嚥下能力を含め全身状態が良好でない方も多くいます。そのような方が入院された場合は、家族のみならず施設職員やケアマネジャーを含めた患者様に係る皆さまに入院後3~5日以内に面談して治療計画、退院予定を説明し同意を頂いているため速やかな退院が可能となっております、実際全国平均と比べて尿路感染症領域では遜色ない入院日数であり誤嚥性肺炎領域や敗血症領域ではかなり短い入院期間となっとります。

当科における感染症加療は、多剤耐性菌を考慮しつつもグラム染色や臨床経過に留意し、できるだけ狭い抗菌スペクトラムの抗生剤を使用し、また抗生剤の使用期間も必要最小限としております。

感染症加療に外科的加療が必要な場合(尿路結石の砕石術、喀痰排出困難時の気管切開等)は、速やかに外科に依頼しております。

感染症の中でも最重症な感染症の一つである敗血症は、起因菌に対しては原因を突き止め、合わせて全身管理にも重点をおきながら感染症の原因をつきとめ合わせて加療しております、また早期よりリハビリを行い治療終了後の速やかな退院ができるようにしています。

本年度より部員も増えたことにより、よりきめ細かい医療を提供します。2020年度より当科は誤嚥性肺炎のパスを運用し更なるサービスの向上に努めた結果在院日数の短縮を成し遂げました。また多すぎる薬剤(内服薬)に対して薬剤部と協力して不要と思われる薬剤の減量を行っております。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 172 3.3 4.36 1.74 71.95  
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 110 4.76 4.79 0 69.05  
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 64 10.16 10.24 0 75.42  
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 59 2.92 3.27 0 70.53  
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 57 3.16 3.06 0 68.63  

当科に関連する疾患としては、最も頻度が多いのは、狭心症に対する経皮的冠動脈形成術であり、続いて頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術になります。両疾患群ともにCOVIDの影響を受けてか、例年より減少しています。また、心不全入院も減少しています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 11 39.18 21.69 0 69.09  
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 11 31.27 21.93 0 74  
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 19.66  
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり 29.08  
050161xx97x2xx 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2 2あり 44.15  

当科は心臓・大動脈疾患や末梢血管疾患に対して外科治療を行う診療科です。近年は糖尿病、高血圧を背景として慢性腎臓病の患者が増えています。また、高齢化社会を反映して特に高齢者の大動脈弁疾患に対する手術が増えてきました。次いで狭心症に対しての冠動脈バイパス術症例、集中治療や緊急手術を要する急性大動脈解離の症例が多くなっています。高齢の患者が多いため、また、不安なく自宅へ帰す事を第一としている事から入院期間は若干長めではありますが退院後の合併症や再入院などもほとんどありません。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 16 10.88 10.39 0 67.19  
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 7.87  
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14.62  
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 17.35  
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 1あり 34.08  

住民健診や職場健診で『タンパク尿 や 血尿』 を指摘された方や、eGFR(おおよその腎機能を示す指標)低下を指摘された方などに対して、当院で二次健診(さらなる詳しい精査)を行っております。 近隣の医院やクリニックの先生方から、『タンパク尿が増えてきましたね!』などで当院の腎臓内科へご紹介をいただいております。 特に タンパク尿(3+)~(4+)などのネフローゼ症候群が疑われる症例については、「腎生検」による診断を行う検査や、疾患に合わせた点滴や内服などによる治療を行っております。 腎不全が進行してきた患者さんへは、腎機能(ステージ)に合わせた食事生活指導や内服薬の調整を行っております。 また 透析治療が必要となった際には、腹膜透析(CAPD)や血液透析(HD)の説明、腎臓移植についての説明を行います。腎不全が進行してきた後も各患者さんの生活が、できるだけ 従来通りの生活に近づけてゆけるような説明とご提案を行っております。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 23 10.78 18.42 8.7 68.57  
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 12 15.83 19.22 8.33 77.17  
040081xx99x0xx 040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 10 11.9 20.57 30 82.3  
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13.41  
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 6.24  

①高齢者であるほど喫煙者ほど通常型間質性肺炎の頻度が高まる。近年、室内塵等に誘発される過敏性肺炎が間質性肺炎の3割にも上るとの報告もあり急性増悪に対し、その誘因を検索特定し、再度安定期へ持ち込めるよう迅速に対応していくことが求められている。
②高齢化社会となるとともに悪性新生物患者、生活習慣病を有する患者等の易感染患者さんが増えている。いったん感染すると敗血症にも移行しやすい。敗血症は、致死的状況であり迅速な診断による適合する抗菌薬の早期投与とドレナージの見極めが重要である。
③今日誤嚥性肺炎は高齢化社会の最も注目される疾患の一つである。抗菌薬と排痰介助とともに身体状況の改善による嚥下機能と治癒促進にて対応し、適合する食形態等を選択し再発予防に努めている。
④慢性閉塞性肺疾患は、コモンディジーズとなっており、入院歴のある方の再入院、致死率が高い。誘因に対応し呼吸不全をコントロールし、予防接種等にて誘因となりうる感染症予防に努める。
⑤気密性の高い住環境等により喘息は頻度の高い疾患となった。増悪時迅速に原因除去に努め、次の発作が起こらないよう治療を設定し早期退院に繋げている。

呼吸器外科

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢

患者用
パス

040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 7.61 10.47 2.63 68.34  
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 5.61 9.86 0 32.22  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 11 8.45 13.12 0 69.27  
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 9.09  
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 3.30  

呼吸器外科では肺癌や食道癌、縦隔腫瘍などの胸部悪性腫瘍手術を行っています。手術のみならず、薬物治療なども積極的に行っています。また、気胸などの良性疾患に関しても手術もしくは保存的治療を行っています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 123 9.06 9.21 2.44 74.26  
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 48 7.29 7.70 2.08 68.79  
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 44 8.23 13.91 4.55 57.75  
060350xx99x00x 急性膵炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 43 8.88 10.64 2.33 51.98  
060102xx97xxxx  穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 その他の手術あり 38 7.89 11.04 5.26 79.58  

・沖縄における当院の胆膵疾患専門的特性により胆管結石性胆管炎、膵炎、胆膵悪性腫瘍(膵癌、胆管癌)に対して可及的速やかな診断・治療をしています。
・消化管疾患は大腸憩室関連した憩室炎や憩室出血が多く、それに対しても速やかに治療介入、早期退院を心掛けています。
・本県における肝疾患の特徴はアルコール性や肥満に関連した肝疾患が多いことです。依然としてアルコール性肝疾患は、コロナ禍でも減少は認めなかった。

外科

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 83 5.17 7.11 4.82 60.33  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 72 4.81 6.25 0 60.94  
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 46 13.85 15.76 4.35 68.57  
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 42 5.71 4.74 0 68.31  
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 31 3.58 5.40 0 37.29  

当院は三次救急医療機関のため緊急手術が多く、中でも胆嚢炎や虫垂炎が多いのが特徴です。胆嚢炎に対しては診療ガイドラインでも推奨されている早期手術を行っており、患者さんの負担が軽い腹腔鏡下胆嚢摘出術を第一選択としています。胆石以外の肝胆膵疾患としては肝癌、胆道癌、膵癌などの悪性腫瘍が多く、県内で唯一(2022年9月現在)の日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医修練施設となっています。また、結腸癌も増加傾向であり、他院から紹介されてくる患者さんが多いのが特徴です。鼠径ヘルニアも患者さんが多い疾患ですが、症例や患者さんの希望に合わせて腹腔鏡下手術と鼡径部切開法を適応しています。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 60 5.27 5.88 0 62.67  
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 56 7.5 10.15 3.57 62.41  
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 10 3.5 4.10 0 46.6  
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 6.37  
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 3.94  

乳腺外科の入院では、乳癌手術症例がほとんどを占めます。ほとんどバリアンスなく一週間以内に退院されています。良性腫瘍であっても少し大きいものについては、全身麻酔下に術後の乳房の変形が出ないような手術を行っています。
また、転移再発乳癌の患者さんが体調不良を感じるときには適宜入院していただいています。患者さんが、病院やそれ以外のどこにいても安心して過ごせるように、多職種(医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ、医療ソーシャルワーカーなど)で定期的にカンファレンスを行い、患者さんがいま必要としている環境を調整しています。

整形外科

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 148 17.14 25.32 77.03 82.52  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 91 14.38 23.02 6.59 73.66  
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 23 13.43 18.36 21.74 50.48  
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 18 6.78 13.52 0 32.5  
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 17 15 19.34 10.59 77.41  

 当病院では平成25年度に整形外科を中心にスポーツ・関節外科センターを開設しました。特色は関節外来、一般外傷、手の外傷、スポーツ医学、離島医療支援など、院内外の活動にあります。
 院内活動では特に膝関節外科で、人工膝関節置換術、関節鏡視下手術を中心に行っています。
 関節外科は膝以外でも、肩の鏡視下手術や、股関節の人工関節置換術なども行っております。
 また、当病院は救命救急センターを有し、骨折などの整形一般外傷から重傷外傷に対しても24時間オンコール体制をとって対応しています。
 また、近隣の医療施設、スポーツ指導者からも上記手術が必要な患者様を紹介いただき治療にあたっております。
 また、沖縄県内における離島医療支援として、宮古島くらはし整形外科、公立久米島病院、石垣島かりゆし病院へ当院医師が出向き、外来や入院患者さんの診療を行っています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 26 5.08 5.71 0 41.23  
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 14 3.64 6.47 0 53.93  
030428xxxxxxxx 突発性難聴 14 7 8.75 0 53.5  
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 5.08 4.92 0 67.33  
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 7.84  

耳鼻咽喉科で多い入院疾患は、扁桃周囲膿瘍など、のどの炎症性疾患です。発熱、咽頭痛、食事困難があり、増悪すると息苦しくなり呼吸が困難になることもある怖い疾患です。そのため、重症の方は入院加療が必要となります。入院期間は4~5日程度となっていますが、膿瘍形成を行っている場合などは、1週間前後の点滴加療が必要な場合もあります。扁桃炎を繰り返す患者さんに対して、扁桃腺を摘出する手術も多く行っています。
2番目に多いのは、慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症です。これは内服治療で改善が得られない手術目的の方です。症状としては、鼻汁、鼻閉、頭痛、嗅覚障害などがあります。手術を含め、平均4日での退院が可能です。上記症状でお困りの方は、かかりつけの耳鼻科医に手術加療についてご相談されてください。
3番目に多い突発性難聴は原因不明の突然発症する難聴できこえの神経が障害されます。めまいをともなうこともあります。早期治療が重要ですのできこえがまえぶれもなく急にわるくなった場合は耳鼻咽喉科をすくなくとも3日以内に受診することをすすめます。 その他、めまい(前庭機能障害)、中耳炎などの耳疾患、アレルギー性鼻炎などの鼻疾患、また、のど、音声、嚥下、唾液腺など頭頸部疾患各種に対応しております。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 12 4.08 5.16 0 34.17  
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 2.94  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 13.07  
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2 なし 24.37  
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2 あり 48.20  

形成外科は体表面の形態異常を取り扱う診療科で、当院では顔面外傷(皮膚軟部組織損傷・顔面骨骨折)、眼瞼下垂症などの加齢性疾患、糖尿病性足潰瘍や毛巣洞などの難治性潰瘍の治療を受ける患者様が増加しております。患者様になるべく負担が少なく、早期に退院できるように努めております。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 18.94 18.90 77.36 67.92  
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 38 14.61 15.63 34.21 66.58  
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 15.48 9.78 16.13 78.29  
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 6.21 6.71 3.57 78.11  
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 23.52 20.18 21.74 75  

当院は脳血管・脊髄センターとして、脳卒中は脳神経外科と神経内科が協力してオンコール体制を作って診療しています。脳梗塞に対しては来院から4.5時間以内の患者に速やかにt-PAが使用できる体制を構築しており、さらに主幹動脈閉塞例に対しても適応を厳密に判断しながら積極的に血管内手術(経皮的血栓回収術)を行っています。当院は脳血管内治療専門医が2名おり、他院からの未破裂脳動脈瘤の患者の紹介も多く、術前検査や術後検査の患者数も多いことも特徴です。また、最近は治る認知症といわれている特発性正常圧水頭症に対しても積極的にタップテストなどを行い、他施設からの紹介も増加しています。脊椎・脊髄疾患に関しては、顕微鏡手術や内視鏡手術を導入し、ナビゲーションや術中CT、さらに神経モニタリングを導入し、より正確に安全な手術ができる体制を整えています。

救急科

 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 6.63 7.22 23.68 63.39  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 9.03 8.30 20.69 72.83  
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 2.89 3.70 32.14 45.68  
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 26 6.08 10.28 7.69 62.62  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 25 13.32 13.14 8 86.72  

当院は救命救急センターを有する三次救急病院であり、ドクターカーやドクターヘリの運用も担っています。救急外来においても、24時間体制で救急医が診察にあたり、様々な疾患の患者様を受け入れています。その中でも、高齢者の搬入は増加傾向にあります。疾患別に見ると、てんかんが最多となっており、痙攣重積発作などを来し集中治療室における呼吸循環管理を中心とした全身管理目的での入院加療を要しています。また、重症外傷の受け入れも多く、集中治療を要する重症頭部外傷も多く受け入れました。また地域において他医療機関での受け入れが困難な薬物中毒など高度集中治療を要する症例も当院において多く受け入れております。昨年度は新型コロナウィルス関連肺炎に伴う重症呼吸不全が多く、人工呼吸管理やECMO管理を要しました。この他、高齢化に伴って尿路感染症や敗血症の占める割合がも高くなっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 12 1 6,8
大腸癌 29 20 43 71 12 22 1  
乳癌 57 42 13 11 1  
肺癌 17 19 10 12 1 7,8
肝癌 28 1 7,8

 

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※ 該当患者数が10名未満の場合は、規程によりハイフン(-)にて表記しております。

新型コロナ感染症拡大に伴う、がん診療の制限に伴い、治療件数は前年度、前々年度に比べて大幅な件数減少となっています。
 胃癌はこれまで同様Stage IとStage Ⅳが多くなっています。Stage Iは内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術を行っており、また手術対象について低侵襲の腹腔鏡下胃切除術を積極的に行っています。転移再発症例は化学療法、分子標的療法が主体です。
 大腸癌について当院は5名の大腸肛門病学会専門医・指導医がいる学会認定施設で、StageⅢ、Ⅳの治療の難しい症例に対応することが多くなっています。手術は低侵襲の腹腔鏡下手術を積極的に行って患者さんの早期回復を心がけています。また高度進行大腸癌に対して化学療法や放射線療法を併用して拡大切除を行ったり、肝臓や肺への転移症例についても適応があれば集学的治療を併用して切除を行い予後の向上に努めています。
 乳癌は日本乳癌学会指導医・専門医が2名在籍しており、進行度やサブタイプに応じて手術療法、術前術後の薬物療法、放射線療法を併用し根治を目指した治療を行ってます。また化学療法の必要性を正確に判断するためのOncotype DX検査や遺伝性乳癌に対応するためのBRCA遺伝子変異検査を積極的に行い患者さん個々の状況に的確に対応した治療を行っています。
 肺癌はその進行度や遺伝子診断をもとにして手術療法、化学療法、分子標的療法、免疫チェックポイント阻害剤治療を行っています。手術に関してはそのほとんどは低侵襲の胸腔鏡下手術で行っています。
 肝癌について当院は日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設に認定されており、肝胆膵外科高度技能指導医1名、専門医2名が在籍しています。肝癌の治療は拡大肝切除術も含めた標準的な開腹切除術はもちろん、適応症例には低侵襲の腹腔鏡下肝切除術を積極的に行って患者さんの周術期早期回復を目指しています。また膵癌も含め高度進行症例には化学療法やIVRも併用した集学的治療を行い、予後の改善に努めています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 8.58 49.25
中等症 68 12.15 80.41
重症
超重症
不明

※ 該当患者数が10名未満の場合は、規程によりハイフン(-)にて表記しております。

成人市中肺炎では、高齢で脱水がひどく酸素や意識が下がるほど重症と判定されます。高齢者ほど重症化しやすく、低下した日常の活動度を取り戻すため長く入院が必要となる傾向を示しています。適確な薬を必要とされる期間使用し、併存疾患(糖尿病、高血圧、心不全、喘息、肺気腫等)の管理を丁寧に行い肺炎からの回復を促進します。早期よりリハビリテーション介入を行い低下する身体機能の回復を図り、より早く退院できるようにしています。しかしながら高齢者が陥りやすい重症肺炎では、誤嚥の反復や喀痰喀出能の低下により再燃をくり返し入院期間が長引き日常の活動度が低下することを多く経験します。介護を要する状態から、早期にご家族の介護負担が少なく元の状態に戻れるよう包括転院を介し各種在宅サービスを設定し在宅療養に繋げ、また、施設、有床診療所をスムーズに活用できるよう配慮し、リハビリ及びケアを継続いただいております。また、肺炎予防のため、新型コロナ肺炎ワクチン、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を確認し促しています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 162 19.79 74.93 35.29%
その他 25 20.8 75.36 4.28%

当院は救急救命センターを有しており、脳卒中の患者の入院が多く、その中でも最も多いのが脳梗塞です。脳梗塞に対しては、来院から4.5時間以内の患者に関してt-PAが使用できる急性期の体制を救急集中治療部と協同して構築しており、毎年20~30件の症例に対して施行しています。また当院は脳血管内治療専門医が2人おり、近年はt-PA後の血管内治療による血栓回収術も多職種が連携して速やかに行っています。その後の回復期リハビリに至るまでの急性期のリハビリも積極的に行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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診療科別に患者数の多い手術について、Kコード別に示したものです。該当患者数が10名未満の場合は、規程によりハイフン(-)にて表記しております。「転院率」は、転院症例数/全退院数として算出しており、%(パーセンテージ)表示となっております。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 174 1.61 2.44 1.72 71.49  
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 109 2.18 5.66 0.92 71.38  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 52 1.04 8.88 3.85 74.41  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 48 1.83 8.33 0 76.56  
K5462 経皮的冠動脈形成術(不安定狭心症) 26 0.15 5.15 0 68.46  

手術件数としては、経皮的冠動脈形成術に対するカテーテル治療が最も多く、次に近年増加傾向にある不整脈(特に心房細動)に対する心筋焼灼術が多くなっています。また、生活習慣病の増加に伴う動脈硬化性疾患である末梢動脈疾患に対するカテーテル治療も多くなっています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 13 9.62 31.54 0 72.46  
K5551 弁置換術(1弁) 10 5.2 31.8 10 76.9  
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行)(その他)  
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)  
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建))  

当科は心臓・大動脈疾患や末梢血管疾患に対して外科治療を行う診療科です。治療対象となるのは糖尿病、高血圧を背景としての冠動脈疾患の患者が多く、次いで高齢化社会を反映して高齢者の大動脈弁疾患が増えてきました。同様に動脈硬化性疾患の腹部大動脈瘤や高血圧を背景とした急性大動脈解離も増えています。近年の手術成績の向上により高齢者にも積極的に手術治療を行っています。高齢者の場合、術後の回復に時間を要することもしばしばで入院期間は若干長めではありますが、当科は不安なく自宅へ帰す事を第一としており退院後の合併症や再入院などもほとんどありません。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 21 2.05 2.86 40 36  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 20 1.15 3.25 0 68  
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 18 1 8.11 5.56 69.5  
K494 胸腔内(胸膜内)血腫除去術  
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術  

胸部悪性腫瘍手術(肺癌や縦隔腫瘍)や気胸、膿胸手術など行っています。当院の特徴はそのほとんどを胸腔鏡手術で、術後の回復も早いです。

消化器内科

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 79 1.01 6.89 2.53 75.29  
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 50 0.8 11.46 6 71.16  
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 46 0.54 2.52 0 65.35  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 34 0.62 5.68 0 72.47  
K654 内視鏡的消化管止血術 23 1.35 7.83 5.35 72.22  

24時間救急対応で、胆道結石や胆管がん・膵がんに伴う急性閉塞性胆管炎、胆石性急性膵炎、膵炎後膵嚢胞、慢性膵炎膵管狭窄等に対する内視鏡的胆道ドレナージ、膵管ステント留置術等を積極的に行っています。
消化管では胃十二指腸潰瘍出血や活動性憩室出血、食道胃静脈瘤破裂出血に対して、早期の止血を目指し緊急を含めた内視鏡治療を施行しています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 171 1.11 3.47 3.51 61.72  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 40 1.45 12.65 5 68.55  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 31 0.48 2.13 0 66.39  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 31 0.32 2.26 0 37.29  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 27 1.44 3.07 0 66.41  

当院は腹腔鏡下胆嚢摘出術の症例数が多く、胆嚢結石や軽症胆嚢炎の場合には通常の腹腔鏡下胆嚢摘出術よりもさらに負担が軽くキズ痕が残りにくい単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を積極的に行っています。肝癌や膵癌などに対しても適応症例に対しては腹腔鏡下手術を選択し、患者さんに対する負担を最小限にするように努めています。大腸癌も多く、特に直腸癌においては肛門機能を温存しつつ根治性を確保する手術(ISR,TaTME)を積極的に行っています。胆嚢摘出術に次いで多いのが結腸癌の手術ですが、ほとんどの症例に対して腹腔鏡下手術を行っています。従来の腹腔鏡とは異なり立体視が可能な3D腹腔鏡や高精細な4K腹腔鏡といった最先端機器を用いており、ICG蛍光法などの最新技術も導入して手術を行っています。鼠径ヘルニアに対しては症例を選択して腹腔鏡下手術(TAPP法)を行っており、虫垂炎に対してはキズ痕が残りにくい単孔式腹腔鏡下手術を第一選択としています。近年、化学療法において分子標的治療薬などの新規薬剤が次々に登場していますが、当院では最新の治療に対応しています。そのため、治療に必要なインフューザーポート(抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル)留置術も増加傾向です。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 60 1.02 3.25 0 62.67  
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 38 1.26 5.03 0 64.66  
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 13 1.46 6.54 7.68 56.31  
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上)  
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う))  

乳腺外科の手術は大多数が乳癌の手術です。乳房温存手術が過半数を占めていますが、乳房再建が保険適応されたことや、遺伝性腫瘍が注目されたことより乳房切除を選択することも再び増えてきました。ほとんどの乳癌手術は定型化されていることより、安全性は高く、術後経過も順調で入院期間は短い傾向にあります。
乳房再建については、人工物再建は減り、自家組織再建を選択する傾向があります。
化学療法に用いる鎖骨下静脈ポート留置のための入院もありますが、上腕静脈に留置するポートによる外来日帰り手術での対応も見られます。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 106 1.63 12.32 8.49 73.39  
K0461 骨折観血的手術(大腿) 103 1.54 12.5 65.05 79.14  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 64 2.86 14.48 78.12 82.58  
K0462 骨折観血的手術(下腿) 33 4 8.48 12.12 55.48  
K0463 骨折観血的手術(足) 25 1.64 5.48 83 49.04  

 

手術に関しては、疾患が多い変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術の手術件数が上位を占めています。また、その他人工股関節置換術、膝関節鏡手術(前十字靭帯再建術、半月板縫合術・切除術等)、肩関節鏡手術(腱板修復術、関節唇修復術等)、足関節鏡手術と幅広く行っております。
 また救急からの骨折の患者様も多く、四肢の骨折から骨盤骨折等の重度外傷まで対応しております。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 13 1 6.77 0 38.85  
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)  
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術)  
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術)  
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満)  

 

 耳鼻咽喉科で行われる最も多い手術は、口蓋扁桃摘出術です。対象疾患は、急性扁桃炎を繰り返す慢性扁桃炎、夜間睡眠時のいびきや無呼吸を生じる睡眠時無呼吸症候群と、扁桃病巣感染症です。扁桃病巣感染症とは、IgA腎症、掌蹠膿疱症など扁桃自体はほとんど無症状ですが、扁桃が原因となって扁桃から離れた臓器(皮膚、腎臓など)に引き起こされる疾患です。手術での入院期間は7日前後となっています。
2番目に多いのは慢性副鼻腔炎の手術です。病態に応じてⅠからⅤ型まで手術術式があります。術式の違いで分けられているので、慢性副鼻腔炎の手術が実質当科で2番目に多く行われているということになります。手術は内視鏡を用いる鼻内手術が主流です。近年、難病の好酸球性副鼻腔炎が増加し、鼻内手術と投薬を組み合わせて症状を安定させる意義が高まっています。入院期間は4-5日程度です。
他、リンパ節腫脹に対するリンパ節摘出術、声を良くする音声手術、誤嚥を予防する嚥下手術、アレルギー性鼻炎に対する粘膜下下鼻甲介骨切除術、後鼻神経切断術や、頭頸部のおもに良性腫瘍に対する手術もおこないます。また、集学的治療が必要な頭頸部悪性疾患は琉球大学病院と密な連携を取り対応しています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) 36 2.67 16.14 27.78 79.89  
K142-4 経費的椎体形成術 25 10.96 16.12 36 78.68  
K17422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 25 8.6 32.72 56 73.72  
K1742 水頭症手術(シャント手術) 24 7.92 20.33 25 74.54  
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 20 4.5 12.5 10 56.95  

従来のコイル塞栓術や頸動脈ステント留置術に加え、脳梗塞に対する血管内治療(経皮的血栓回収術など)も積極的に行っています。タップテストで改善した特発性正常圧水頭症に対しては、より低侵襲な腰椎腹腔短絡術(L-Pシャント術)を施行しており、他施設からの紹介が増加しています。脊椎手術も年々増加しており、内視鏡手術については6.6mmΦの経皮的内視鏡を導入し、神経モニタリングを行い、より低侵襲な手術を心がけています。さらに術中にCT撮影や脳血管撮影が可能なポータブル透視撮影機器や術中ナビゲーションシステムを駆使し、より正確により安全な手術ができる体制を構築しています。

救急科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K366 気管切開術 14 15.86 77.5 64.29 72.36  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術  
K6001  大動脈バルーンパンピング法(IABP法)(初日)  
K654 内視鏡的消化管止血術  
K0811 人工骨頭挿入術(股)  

重症症例に対する人工呼吸管理が長期になる場合が多く、気管切開術が最多となっています。また、高齢者における複雑性尿路感染症・結石性腎盂腎炎なども多く受け入れております。循環器科ではPCIやECMO、IABP、TPMなどの適応となる救急患者を受け入れており患者数が多くなっております。また多くの外傷を受け入れていることから、四肢の骨折観血的制服術や脊椎手術が多くなっているのが特徴です。併せて、消化器内科における内視鏡的な止血術にも多く対応しております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 114 1.74
異なる 20 0.3
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 51 0.78
異なる

※ 該当症例数が10名未満の場合は、規程によりハイフン(-)にて表記しております。

播種性血管内凝固症候群は、様々な重症な基礎疾患により全身に血栓ができる病態です。敗血症は細菌感染により、生命を脅かす臓器傷害を起こす病態のことを言います。肺炎や尿路感染症、腹腔内感染症などが原因となり、ともに死亡率が高い病態であることが知られています。2021年度において、当院の播種性血管内凝固症候群の発症率は0%ですが、あくまでDPC診断名での発生数となっており、実際のDIC患者は更に多いと考えられています。また敗血症の入院契機との同一症例が1.74%、入院契機と異なる症例が0.3%となっています。これは当院が、救命救急センターを擁する地域の中核病院であり、より重症な患者を受け入れていることを示していると考えます。また「同一性」とは入院契機の疾患と入院中の主な治療目的の疾患(DPC疾患)が同一か否かという事です。播種性血管内凝固症候群では、DPC病名と入院契機の病名が異なることから、入院契機である基礎疾患を原因として播種性血管内凝固に至ったと思われます。敗血症ではDPC病名と入院契機の傷病名が同一である症例が114例、異なる症例が20例ありました。当院ではより多くの敗血症患者を治療しており、敗血症診療には非常に力を入れております。手術・処置などの合併症には、術後の創部感染や出血などがあります。これは一定の確率で起こりうるものであり、ゼロにすることは出来ません。起こりうる合併症に関しては、出来る限り発症を少なくする様に努め、またその可能性について事前に十分に説明をしています。

更新履歴
2022.09.29 令和3年度 病院指標を公開