当病院循環器内科は最先端の治療を短時間で行い、患者さんにやさしい治療を心がけています。
◇虚血性心疾患に対しては、2017年11月にオープンした血管撮影センターにて、血管造影装置を2台使用し、24時間緊急カテーテル検査に対応しています。また、沖縄県内で唯一、日帰り心臓カテーテル検査を行っており、石灰化病変に対するローターブレーター治療や慢性完全閉塞病変の逆行性アプローチなどの治療も積極的に行っております。外科と内科が協力して集学的治療を行うよう心がけています。
◇末梢血管疾患に対しても下肢動脈・鎖骨下動脈・腎動脈等の狭窄に対して、インターベンション治療(EVT)を行っています。特に、足趾潰瘍を合併した閉塞性動脈硬化症の治療は、糖尿病内科、血液透析科、形成外科、血管外科とも連携し、あらゆる角度からのアプローチを試みており、下肢切断に至らないよう、受診から退院後のフォローまでケアを心がけています。
◇不整脈デバイス治療に対してはペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、リードレスペースメーカー植込みを行っており、特に重症心不全に適応されるCRTは2019年は21件となっています。またエキシマレーザーを使用した植込み型心臓デバイス抜去術は沖縄県内で唯一施行しており、感染した植込み型デバイスに対しては他の医療機関から紹介を受けています。さらに発作性上室性頻拍や心房粗動、心房細動はもとより、心室頻拍などの致死的不整脈に対してもアブレーション治療を行っております。特に近年は脳梗塞や心不全に悪影響を及ぼす心房細動に対するアブレーションを積極的に行っており、現在は従来の高周波アブレーションだけでなく、クライオバルーンを使用した冷凍アブレーションも使用しています。
本年度からは、心房細動に対する左心耳閉鎖デバイス治療を沖縄県内で初めて導入しました。
病診連携と救急を中心に診療にあたっています。院内では積極的にクリティカルパスを利用し在院日数を短くし効率良く診療にあたり、最近では退院時にかかりつけ医の先生方が利用できる地域連携パスを作成し運用しています。紹介患者や救急患者は全て受け入れ診療し迅速に検査・治療しています。
『カテーテルアブレーション症例全例登録プロジェクト(J-ABレジストリ)』
については下記をご覧下さい。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|
CAG | 717 | 977 | 1047 | 856 | 735 |
PCI | 439 | 431 | 347 | 325 | 287 |
末梢EVT | 147 | 120 | 117 | 76 | 73 |
シャントPTA | 35 | 47 | 29 | 61 | 21 |
ABL | 157 | 159 | 166 | 152 | 147 |
デバイス | 102 | 115 | 140 | 106 | 110 |
リード抜去 | 16 | 24 | 24 | 20 | 18 |
ループレコーダー | 10 | 13 | 39 | 44 | 25 |
(再掲)デバイス件数
新規 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
ペースメーカー | 46 | 46 | 54 | 63 | 48 |
ICD | 14 | 24 | 28 | 12 | 19 |
CRTD | 23 | 17 | 29 | 15 | 11 |
CRTP | 8 | 6 | 7 | 3 | 8 |
合計 | 91 | 93 | 118 | 93 | 86 |
交換 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
ペースメーカー | 10 | 13 | 16 | 5 | 20 |
ICD | 0 | 0 | 3 | 1 | 3 |
CRTD | 1 | 7 | 2 | 6 | 1 |
CRTP | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 |
合計 | 11 | 22 | 22 | 13 | 24 |
当科では有効性・安全性の高い医療を目指して積極的に臨床研究を行っております。
また臨床研究の他、医師主導治験や企業治験なども実施しております。
<実施中の研究一覧 (2022年2月現在)>
研究種別 | 研究課題名 |
---|---|
特定臨床研究 | エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板療法P2Y12阻害薬単剤と することの安全性を評価する研究 (研究簡略名:STOPDAPT3) |
特定臨床研究 | 心不全増悪入院患者におけるアンジオテンシン・ネプリライシン阻害薬の研究 (研究簡略名:PREMIER study) |
観察研究 | 循環器疾患の次世代型精密医療を実現する冠動脈疾患コホートゲノム研究 |
観察研究 | プライマリ・ケア領域での非弁膜症性心房細動患者における多剤併用と潜在的不適切処方 |
観察研究 | 日本心血管インターベンション治療学会内登録データを用いた統合的解析 |
観察研究 | カテーテルアブレーション症例全例登録プロジェクト (研究簡略名:J-ABレジストリ) |
観察研究 | リード抜去症例の実態調査 Japan Lead extraction registry (研究簡略名:J-LEXレジストリ) |
観察研究 | 新規我が国における心臓植込み型デバイス治療の登録調査 – New Japan Cardiac Device Treatment Registry(New JCDTR)- (研究簡略名:New JCDTR) |
観察研究 | SPARK Registry |
<実施終了した研究一覧 (2022年2月現在・登録終了)>
研究種別 | 研究課題名 |
---|---|
特定臨床研究 | 超薄型ストラット薬剤溶出ステントと薄型ストラット薬剤溶出ステントの 実臨床条件下における無作為化比較研究 (研究簡略名:CASTLE Study) |
特定臨床研究 | 急性冠症候群に対するエベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の 抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)期間を1ヵ月に短縮することの安全性を評価する研究 (研究簡略名:STOPDAPT2-ACS) |
特定臨床研究 | エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の 抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)期間を1ヵ月に短縮することの安全性を評価する研究 (研究簡略名:STOPDAPT-2) |
特定臨床研究 | SGLT2阻害薬による動脈硬化予防の多施設共同ランダム化比較試験 (研究簡略名:PROTECT) |
特定臨床研究 | 沖縄県の慢性冠動脈疾患患者におけるチエノピリジン系薬物の血小板凝集能に関する研究 (研究簡略名:CHIMU Okinawa Study) |
氏名 | 卒業年 | 専門分野 | 学会専門医・他 |
上原 裕規 | 1997年 | 虚血性心疾患、心不全 末梢動脈疾患 心臓リハビリテーション |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベーション治療学会 専門医 日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医 日本脈管学会 脈管専門医 第8期日本心血管インターベンション治療学会代議員 |
仲村 健太郎 | 1999年 | 不整脈、心不全 虚血性心疾患 心臓再同期療法(CRT) 植え込み型除細動器(ICD) PMI、アブレーション治療 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本不整脈心電学会 認定不整脈専門医 日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医 ICD/CRT研修修了 リード技法 指導医 完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)指導医 |
知念 敏也 | 2004年 | 虚血性心疾患、心不全 末梢動脈疾患、PMI |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベーション治療学会 専門医 日本内科学会 総合内科専門医医・内科指導医 日本病院会 臨床研修指導医 ICD/CRT研修修了 |
中田 円仁 | 2006年 | …準備中… | 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 心血管カテーテル治療専門医 日本内科学会 総合内科専門医・指導医 日本救急医学会 救急科専門医 日本プライマリ・ケア連合学会 認定指導医 ICD/CRT研修修了 ICLSコースインストラクター・ディレクター JMECCインストラクター RyuMIC臨床研修指導医養成セミナー修了 |
阿部 昌巳 | 2007年 | 虚血性心疾患、心不全 末梢動脈疾患 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベーション治療学会 認定医・専門医 日本内科学会 総合内科専門医 日本心エコー図学会 SHD心エコー図認証医 |
名護 元志 | 2009年 | 循環器一般 | |
千葉 卓 | 2013年 | 循環器一般 |
日本循環器学会 循環器専門医 |
横田 尚子 | 2013年 | …準備中… |
日本循環器学会 循環器専門医 |
田畑 達也 | 2014年 | 循環器一般 |
日本循環器学会 循環器専門医 |
飯塚 築 | 2018年 | 循環器一般 |
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川田 健太郎 | 2018年 | 循環器一般 |
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