当病院循環器内科は最先端の治療を短時間で行い、患者さんにやさしい治療を心がけています。
◇虚血性心疾患に対しては、2023年12月に浦添市前田に新築移転し、血管造影2室、ハイブリット手術室1室にて24時間緊急カーテル検査に対応しております。短期入院、低侵襲治療をこころがけ、負担の少ない検査・治療を提供できる体制を整えております。石灰化病変に対しては、ローターブレーターやダイヤモンドバック、ショックウェーブバルーンによる治療や一方向性冠動脈宛レククトミー(DCA)、ステンレス治療なども積極的に行っております。
◇末梢血管疾患に対しても下肢動脈・鎖骨下動脈・腎動脈等の狭窄に対して、インターベンション治療(EVT)を行っています。特に、足趾潰瘍を合併した閉塞性動脈硬化症の治療は、糖尿病内科、血液透析科、形成外科、血管外科とも連携し、あらゆる角度からのアプローチを試みており、下肢切断に至らないよう、受診から退院後のフォローまでケアを心がけています。
◇不整脈デバイス治療に対してはペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、リードレスペースメーカー植込みを行っており、特に重症心不全に適応されるCRTは2019年は21件となっています。またエキシマレーザーを使用した植込み型心臓デバイス抜去術は沖縄県内で唯一施行しており、感染した植込み型デバイスに対しては他の医療機関から紹介を受けています。さらに発作性上室性頻拍や心房粗動、心房細動はもとより、心室頻拍などの致死的不整脈に対してもアブレーション治療を行っております。特に近年は脳梗塞や心不全に悪影響を及ぼす心房細動に対するアブレーションを積極的に行っており、現在は従来の高周波アブレーションだけでなく、クライオバルーンを使用した冷凍アブレーションも使用しています。
本年度からは、心房細動に対する左心耳閉鎖デバイス治療を沖縄県内で初めて導入しました。
病診連携と救急を中心に診療にあたっています。院内では積極的にクリティカルパスを利用し在院日数を短くし効率良く診療にあたり、最近では退院時にかかりつけ医の先生方が利用できる地域連携パスを作成し運用しています。紹介患者や救急患者は全て受け入れ診療し迅速に検査・治療しています。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
CAG | 977 | 1047 | 856 | 735 | 787 |
PCI | 431 | 347 | 325 | 287 | 341 |
末梢EVT | 120 | 117 | 76 | 73 | 67 |
シャントPTA | 47 | 29 | 61 | 21 | 16 |
ABL | 159 | 166 | 152 | 147 | 155 |
デバイス | 115 | 140 | 106 | 110 | 148 |
リード抜去 | 24 | 24 | 20 | 18 | 14 |
ループレコーダー | 13 | 39 | 44 | 25 | 28 |
(再掲)デバイス件数
新規 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
ペースメーカー | 46 | 54 | 63 | 48 | 54 |
ICD | 24 | 28 | 12 | 19 | 36 |
CRTD | 17 | 29 | 15 | 11 | 17 |
CRTP | 6 | 7 | 3 | 8 | 7 |
合計 | 93 | 118 | 93 | 86 | 114 |
交換 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
ペースメーカー | 13 | 16 | 5 | 20 | 25 |
ICD | 0 | 3 | 1 | 3 | 4 |
CRTD | 7 | 2 | 6 | 1 | 4 |
CRTP | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 |
合計 | 22 | 22 | 13 | 24 | 34 |
当科では有効性・安全性の高い医療を目指して積極的に臨床研究を行っております。
また臨床研究の他、企業治験なども実施しております。
<実施中の研究一覧 (2024年8月現在)>
研究種別 | 研究課題名 |
---|---|
特定臨床研究 | エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板療法P2Y12阻害薬単剤とすることの安全性を評価する研究 (STOPDAPT-3) |
特定臨床研究 | 心不全増悪入院患者におけるアンジオテンシン・ネプリライシン阻害薬の研究 (PREMIER study) |
特定臨床研究 | 急性心不全患者を対象としたエンパグリフロジン製剤の有効性を検討する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対象並行群間比較試験 (EMPA-AHF研究) |
特定臨床研究 | 抗頻拍ペーシングの送出タイミングの安全性と有効性を評価する多施設前向き無作為化臨床研究 (BIO|ATP研究) |
特定臨床研究 | 高中性脂肪血症を合併した冠動脈疾患を対象としたペマフィブラートの冠動脈プラークの退縮に及ぼす影響を検討する無作為化非盲検群間比較試験 (PEMA-CORE研究) |
観察研究 | 冠微小循環機能と冠血流予備量比で評価した日本人冠動脈疾患症例の臨床予後に関する多施設レジストリー (J-ADVANCE Registry) |
観察研究 | Perfusion BalloonとDrug Coated Balloon (DCB) を用いた左回旋枝入口部病変を伴う左冠動脈主幹部に対するPCI の有効性および安全性を評価する多施設前向きシングルアームオープンラベル試験 (JDEPTH LM Registry) |
観察研究 | 日本心血管インターベンション治療学会内登録データを用いた統合的解析 |
観察研究 | カテーテルアブレーション症例全例登録プロジェクト (J-AB 2022) |
観察研究 | リード抜去症例の実態調査 Japan Lead extraction registry (J-LEXレジストリ) |
観察研究 | 植込み型心臓電気デバイス治療に関する登録調査 (New JCDTR 2023) |
観察研究 | 経皮的左心耳閉鎖システムを用いた非弁膜症性心房細動患者の塞栓予防の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究 (J-LAAO) |
観察研究 | カテーテルアブレーション施行患者を対象としたTMDU多施設レジストリ研究 |
観察研究 | 循環器疾患の次世代型精密医療を実現する冠動脈疾患コホートゲノム研究 |
氏名 | 卒業年 | 専門分野 | 学会専門医・他 |
仲村 健太郎 病院長補佐 循環器内科不整脈部長 |
1999年 | 不整脈、心不全 虚血性心疾患 心臓再同期療法(CRT) 植え込み型除細動器(ICD) PMI、アブレーション治療 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本不整脈心電学会 認定不整脈専門医 日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医 ICD/CRT研修修了 リード技法 指導医 完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)指導医 |
知念 敏也 循環器内科副部長(虚血領域) |
2004年 | 虚血性心疾患、心不全 末梢動脈疾患 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベーション治療学会 専門医 日本内科学会 総合内科専門医医・内科指導医 日本病院会 臨床研修指導医 ICD/CRT研修修了 浅大腿動脈ステントグラフト実施医 |
中田 円仁 循環器内科カテーテル治療副部長 |
2006年 |
内科救急 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 心血管カテーテル治療専門医 日本内科学会 総合内科専門医・指導医 日本救急医学会 救急科専門医 日本プライマリ・ケア連合学会 認定指導医 ICD/CRT研修修了 ICLSコースインストラクター・ディレクター JMECCインストラクター・ディレクター RyuMIC臨床研修指導医養成セミナー修了 |
阿部 昌巳 循環器内科医長 |
2007年 | 虚血性心疾患、心不全 末梢動脈疾患 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベーション治療学会 専門医 日本内科学会 総合内科専門医 日本心エコー図学会 SHD心エコー図認証医 |
千葉 卓 循環器内科医長 |
2013年 |
循環器一般 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本内科学会 認定内科医・内科指導医 ICD/CRT研修修了 ICLS・BLSコースインストラクター JMECCインストラクター |
名護 元志 循環器内科副医長 |
2009年 | 循環器一般 | |
田畑 達也 循環器内科副医長 |
2014年 |
循環器一般 |
日本循環器学会 循環器専門医 日本内科学会 認定内科医 日本心血管インターベンション治療学会 認定医 |
横田 尚子 |
2013年 |
循環器一般 | 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 認定医 日本内科学会 認定内科医 日本内科学会 総合内科専門医 |
髙江洲 悟 |
2015年 |
循環器一般 |
日本循環器学会 循環器専門医 |
飯塚 築 |
2018年 |
循環器一般 |
日本専門医機構 内科専門医 |
小林 史明 |
2019年 | 循環器一般 |
|