腎臓内科


   <TOPICS>

   2024年3月: 北村謙医師が群星沖縄・浦添総合病院研修プログラム ベスト指導医賞を受賞しました。
   2024年1月: 仲本憲人医師が着任しました。
   2023年8月: SDM外来を開始しました。
   2023年4月: 北村謙医師が着任しました。

診療内容

腎臓内科では、原発性・続発性糸球体疾患(腎炎・ネフローゼ症候群)、急性腎不全・保存期慢性腎臓病管理、水・電解質・酸塩基異常、透析療法の実施、腎移植への橋渡し、急性血液浄化療法まで幅広く対応しています。令和6年1月より腎臓内科医常勤3名体制となり、沖縄県中南部医療圏の慢性腎臓病医療に貢献できるよう、以下の医療を提供できるよう心がけております。

  • 検尿異常・腎機能低下を有する患者様に対し、適切なタイミングで腎生検を実施し確定診断に基づいた治療を!
  • 慢性経過の腎臓病管理を見直したうえで、病診連携にて腎機能悪化抑制を!
  • 末期腎不全に対する腎代替療法について、血液透析・腹膜透析・腎移植、透析非導入などの治療選択が行えるよう多職種にて情報提供を行い、悔いのない選択ができるように!

当科受診を推奨する方

eGFR値による紹介基準     *eGFR値=ml/min/1.73m2
 ① 40歳未満 eGFR 60未満
 ② 40歳以上 eGFR 45未満
 ③ 3か月以内に、30%以上のeGFR低下
蛋白尿による紹介基準
 ④ 尿蛋白2+以上、または尿蛋白/尿Cr比0.5以上
 ⑤ 尿蛋白と血尿がともに陽性(1+以上)
 ⑥ 糖尿病がある場合は尿蛋白1+以上

(浦添市CKD・糖尿病性腎臓病重症化予防プログラム紹介シートより)

eGFRとは、何%腎臓が働いているかの指標です。
他にも、透析を受けておられる方の合併症に関する相談、特殊血液浄化の依頼も受けております。もしご紹介必要な患者様がいらっしゃれば、下記情報提供書をご利用ください。

腎生検

尿や血液検査では、腎臓に「どの程度」の病変が生じているかは分かりますが、腎臓に「どんな」病変が生じているのかを調べることはできません。
したがって、正しく診断し適切な治療方針を立てるために、腎臓の組織の一部を採り顕微鏡などで詳しく組織診断する検査(腎生検)を行い、「どんな病気で、どのようなタイプで、どの程度なのか」を知る必要があります。腎臓をエコーで見ながら、背中から細い針を刺入し腎臓の組織小片を採取します。腎生検後には、腎臓からの出血を最小限に抑えるために安静を保持することが苦痛ですが、比較的安全な検査といえます。

腎生検を行うには、当院では3泊4日の入院が必要です。

SDM外来

【外来日】月・火・水・金  (各曜日1名)
【対象】eGFR<30で、進行に腎機能低下を認める方

透析室看護師から血液透析、腹膜透析、腎移植、透析非導入に関し説明します。価値観・現在の生活・今後の人生設計などを共有しながら、末期腎不全となった際にどのような生活を望まれるか話し合います。
⇒医師とも情報共有し、療法選択を決定していきます。

※SDM外来前に腎臓内科医師の外来受診が必須となります

腎機能低下が進行したときの治療(当院では腎移植以外に対応可能)
血液透析とは

血液透析とは腕の血管から血液を一旦外に出して、機械を通して老廃物や余分な水分を取り除き、きれいにした後、体内に戻す方法です。
1日3~4時間、週3回必要で、基本的に病院で行います。本邦ではまだ少ないですが、在宅血液透析という治療方法もあります。


<シャントについて>
血液透析ではシャントという血管をつなぐ手術が必要です。
手術をしてから透析ができるようになるまで約1~2週間かかります。

腹膜透析とは

手術でお腹の中に管を入れて、1.5L~2Lの液を入れて、一定時間ためることで腹膜からゴミなどを排出する方法で、自宅で行います。お腹の中は清潔である必要があるので、液の交換やカテーテルが入っている部分は清潔にする必要があります。カテーテルをいれるための手術が必要です。

腹膜透析での生活サイクル

腹膜透析は、「CAPD(連続携行式腹膜透析)」と「APD(自動腹膜透析)」の2種類があり、患者さんの生活サイクルに合わせて選べます。
「CAPD」は、透析液バッグの交換を日中に数回行います。「APD」は、寝ている間に機械で自動的に行います。
腹膜透析での液交換は約15~30分です。普通の透析液交換と機械をつなぐ方法を組み合わせて行うこともあります。

腎移植とは?



腎移植には生きている方から腎臓をもらう「生体腎移植」と亡くなられた方から腎臓をもらう「献腎移植」の2つがあります。献腎移植の待機期間は平均16~17年となっています。腎移植が成功すれば、透析は行わなくてよくなります。日本では移植後5年経過しても、95%以上が透析を回避出来ています。

ただし免疫抑制剤を飲む必要があるため、感染に要注意です。また、移植が成功すればその後一生透析が必要なくなるわけではありません。

<先行的腎移植>
下記の条件を満たせば、透析を行う前に腎移植を行う「先行的腎移植」という方法も検討されます。

・腎機能(eGFR)が15mL/分/1.73㎡未満
・ドナーとなる方がいる

診療特色

腎臓内科の特色は、何といっても連携です。

  • 腎臓・透析専任看護師スタッフや臨床工学技士らと協力し、安全な透析治療を行います。
  • 腎臓・透析専任看護師スタッフや栄養士、薬剤師らと協力し、腎臓病進行予防に努めます。
  • 救命救急センターを始めとした他科の専任医師らと協力し、急性期の腎不全治療を行います。
  • 外科医師らと協力し、シャント造設、腹膜透析用カテーテル挿入術など腎不全外科治療を行います。

医療機器・設備

  • 透析装置(固定用):14台
  • 個人用透析装置:4台
  • アフェレーシス用透析装置(ACH-Σplus):2台
  • 腹膜透析:バクスター社、テルモ社に対応

施設認定

  • 日本透析医学会教育認定施設

担当医師と専門分野等

氏名 卒業年 専門分野 学会専門医・他
上地 正人
腎臓内科主任部長
1993年 腎疾患全般 日本内科学会 内科認定医・指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析学会 透析専門医・指導医
北村 謙
腎臓内科部長
2005年 腎疾患全般 日本内科学会 総合内科専門医、内科認定医・指導医
日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医
日本透析医学会 透析専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリケア認定医
医学博士(神戸大学大学院医学研究科腎臓内科)
ICD協議会認定インフェクションコントロールドクター
TNT(Total Nutrition Therapy)研修修了
神戸大学医師臨床研修指導医講習会修了
仲本 憲人
2019年 腎疾患全般  

外来診療表

 
午前

北村 謙

上地 正人

上地 正人

【腹膜透析】

北村 謙

 
午後

 

上地 正人

仲本 憲人 【腹膜透析】    

 

SDM外来

 
午前11時

1名

1名

1名

 

1名

 

 

業績

2023年度
 入院患者数 129
 経皮的腎生検9
 血液透析導入(自科)15
 腹膜透析導入5
 ブラッドアクセス関連手術
  シャント作成術 (自科入院、件)15
 腹膜透析関連手術
  テンコフカテーテル挿入術 (件)
 体外循環式血液浄化療法
  持続血液濾過透析 (日、延べ日数)231
  単純血漿交換 (回)
  エンドトキシン吸着 (日、延べ日数)
  血漿分離免疫吸着 (回)
  血漿分離LDL吸着 (回)22
  腹水濾過濃縮再静注療法 (回)11
  顆粒球除去療法 (回)46

研修医教育

初期研修医

 将来いかなる分野の医師となっても必要な腎臓学の知識習得を目標としています。例えば、「点滴メニューをどのように作っていくのか」などの水・電解質代謝の基礎知識と輸液療法、そして、検尿異常、腎機能障害合併症例や透析患者への基本的対応(合併症の管理、投薬)など、よき臨床医となるための基礎を身に付けます。
病棟を中心として研修を行いますが、透析・他科からのコンサルト(急性腎障害、電解質異常、高血圧管理、腎不全患者の周術期管理など)にも積極的に関わっていくことで、どの科に進んでも役立つ腎臓内科的視点を身に付けます。
 当科では、臨床の実践から学ぶOn the jobトレーニングでの研修から多くを学ぶことをモットーに考えています。毎日朝夕にカルテ回診、チームでの病棟回診を行い、その日の疑問点をその日のうちに話し合えるように心がけています。
 Off the jobトレーニングとしての教育機会としては、月に2回の抄読会が行われています。
研修初めに腎臓内科において何を学びたいかなど達成目標を設定し、研修の最後にスタッフと話し合う機会を設けています。

専攻医・後期研修医

 当科では、generalistでもありspecialistである腎臓内科医の育成を目標とします。腎臓内科のあらゆる分野について実践的診療能力とその学問的基礎を習得することを目標とします。また、水・電解質代謝・輸液・腎機能障害・透析患者への基本的対応などの腎臓内科の知識のみでなく、プライマリ・ケア、集中治療管理、患者・医療スタッフとのコミュニケーション能力など、医師としての重要な資質を身につけることも研修に含みます。希望に応じて、院内外の腎臓内科および他科の研修も受けることができるように調整を行います。
 当科では、臨床の実践から学ぶOn the jobトレーニングでの研修から多くを学ぶことをモットーに考えています。病棟主治医として患者を受け持ち、自信をもって腎臓領域を中心として全人的な診療ができるようにサポートしていきます。また当科は屋根瓦方式での教育を主体とし、「教えながら学ぶ」というスタイルでの研修を行います。毎日朝夕にチームでのカルテ回診を終えた後、病棟回診を行い、その日の疑問点をその日のうちに話し合えるように心がけています。
 Off the jobトレーニングとしての教育機会としては、月に2回の抄読会が行われています。

連携施設はこちらをご確認ください。