漿液性嚢胞腫瘍

 漿液性嚢胞腫瘍Serous Cystic Neoplasm (SCN)は、中年女性の膵体尾部に好発する腫瘍です。ほとんどのSCNは良性で、悪性の漿液性嚢胞腺癌Serous Cystadenocarcinoma (SCC)は稀です。

診断

小嚢胞が集まってできている多房性腫瘍(microcystic type)のことが多いですが、 10mm以上の大きな嚢胞を含むものや大きな嚢胞が主体のこともあります(macrocystic type)。一部に石灰化が見られることもあります。MRIやEUS(超音波内視鏡検査)でこれらの特徴が見られた場合はSCNが疑われます。

治療

画像的にSCNと判断されれば手術適応にはなりません。しかし、腹痛など症状の原因になったり明らかな増大傾向を示したりする場合、あるいは他の悪性腫瘍との鑑別が困難な場合には手術が検討されます。