腫瘍治療病棟

腫瘍治療病棟としての運用について

浦添総合病院のがん診療体制を強化するため、2019年6月1日より北5階病棟を当院でがん診療(腫瘍治療)を中心的に行う病棟として運用を開始しました

患者さんにより質の高いがん診療を提供できるよう、これまでの様に診療科別に複数の病棟で対応していた患者さんを診療科やがん種に関わらず、対応する病棟を北5階病棟に集約して、初期治療から緩和治療まで専門性の高いがん診療を行っていきます。

入院対象患者について
  1. 基本的にがん診療を必要とする患者全般(手術、入院化学療法、転移再発治療、緩和治療)
  2. 乳がん術後患者、肺がん術後患者(但し、全身管理必要時はHCU病棟で対応)
  3. がん術後の周術期を除いた消化器がんの患者
  4. がん診療以外の患者さんの受入れも可能
浦添総合病院の目指すがん診療
  • 徹底したチーム医療
  • 優しさと思いやりのあるがん診療
  • Total Patient Support

「患者さんの一番の理解者になる」腫瘍治療病棟を目指して

 当病院では、大腸がん、胃がん、肝臓がん、膵がん、などの消化器がんや、肺がん、乳がんといった、いわゆる5大がんを中心に数多くの患者様の診療を行っております。入院してがんの診療を行う際、当病院でもこれまでは、他の多くの施設と同様に、消化器がんなら消化器病棟、肺がんなら呼吸器・循環器病棟、乳がんなら混合病棟へというように臓器別、診療科別で患者様にそれぞれの病棟に入院していただいておりました。しかし、一言でがんの治療といっても、手術を受ける時であったり、あるいは再発後の治療であったり、様々な状況があります。また、急性期・救急疾患(心臓疾患、脳卒中、外傷、感染症など)で必要とされる処置や看護と、がん診療で求められる処置や看護は基本的に異なるものでありますから、がん治療を受ける患者さんの立場からすれば、急性期・救急疾患で入院されている患者さんと同じ病棟内でがんの治療を受けるというのは必ずしもいい療養環境とは言えないと思われます。そして看護やケアを提供する看護師にとっても、それぞれの病棟で急性期・救急疾患の看護とがんの看護を両方行わなければならない状況は、がん治療を受ける患者さんに寄り添った、より質の高い看護の提供が難しくなります。

 そこで当病院では2019年6月から、がん医療に関する入院対応を、診療科に関わらず集約的に行う目的で、北5階病棟を”腫瘍治療病棟”として運用を開始しました。これは当病院の新しい”がん医療基本方針”に基づいた取り組みのひとつで、大きな柱でもあります。看護スタッフは、化学療法、消化器がん、乳がん、呼吸器がん、緩和ケアなどのチームを編成し、それぞれの看護やケアについて専門性を高めるための様々な取り組みを開始しました。また、がん関連の認定看護師や緩和ケアチームがこれまで以上に患者さんと接することができるような体制にしました。そして薬剤師、管理栄養士、リハビリスタッフを病棟に専属配置して、多職種協同チーム医療体制をとり、各専門職種スタッフ間のコミュニケーションを密にすることで、安全で質の高いがん診療の提供を目指していきます。更には、退院支援や医療相談のスタッフを充実させて、入院の早い時期から退院後のより良い療養環境整備のための相談体制も強化しております。

“がん治療を受ける患者さんに安心と満足を提供できる病棟”を目標にスタッフ一丸となってより良い病棟づくりに取り組んでいきたいと考えております。退院時の患者満足度調査票等で患者さんやご家族の皆様から忌憚のない御意見がいただけると幸いです。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。