外科

診療内容

 外科はス夕ッフ12名、後期研修医2~3名、初期研修医1~2名が肝胆膵消化器グループと下部消化管・甲状腺グループの2つのグループ単位で診療にあたっております。セカンドオピ二オン外来も対応し、患者さんに安心で満足のいく説明と治療を提供できる様にしています。

診療特色

【肝胆膵外科】
 肝胆膵外科は肝臓、胆嚢および胆管、膵臓を対象臓器とする外科です。良性疾患では、胆石症、胆嚢ポリープ、悪性疾患では、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、肝癌などが主な対象疾患です。胆石症に関しては、従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術よりもさらに傷口が目立たず負担が軽い単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)を積極的に行っています。肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌など癌の治療に関しては外科的切除が原則ですが、一般的には難しい手術が多く、肝臓の葉切除や区域切除、膵頭十二指腸切除術などは高難易度手術とされています。
 当院はこれらの高難易度手術を年間30例以上行っており、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設に認定されています。当院では肝胆膵高度技能医3名を中心とした診療体制で治療を行っています。
 また近年、肝切除術や膵切除術に対しても開腹手術より低侵襲である腹腔鏡下手術がさかんに行われるようになっています。保険適用とするためには国が定めた施設基準を満たしている必要がありますが、当院は肝切除術(全ての術式)と膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術に関して認定されており、適応症例には内視鏡外科学会技術認定医を中心として腹腔鏡下手術を行ない、患者さんの周術期早期回復を目指しております。

【上部および下部消化管外科】
上部消化管
 胃癌の治療は、癌の進行度により、内視鏡的切除、手術療法、化学療法が選択されます。当院では、消化器内科医と連携し、早期胃癌に対しては内視鏡による切除(EMR:内視鏡的胃粘膜切除術、ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術)を行っています。また、内視鏡的治療の対象とならない胃癌に対しては手術療法が基本となりますが、適応症例には開腹手術より低侵襲である腹腔鏡下胃切除術を積極的に行っており、患者さんの周術期早期回復を目指しております。腹腔鏡下幽門保存胃切除術など胃の機能を温存する縮小手術も適応症例に対して行っております。


【急性腹症・腹部外傷外科】
 急性虫垂炎や急性胆嚢炎など比較的頻度の高い急性腹症は救急外来、消化器内科と連携し24時間手術も含め迅速に対応しております。また消化管穿孔や腸管壊死、腹部外傷などより重症な疾患は救急医による初期治療、診断を経て外科や放射線科医(IVR)を含めて集学的な治療を提供しております。術後管理は救急医、麻酔科医も含めてきめ細かい周術期管理を行っております。

◇下部消化管
 沖縄県内で9名いる大腸肛門病学会の専門医・指導医が5名いる大腸肛門病学会認定施設です。


【大腸癌】
 癌治療全般を深く学び、常に最新の情報を入手し大腸癌治療を包括的専門的に診療しています。治癒切除可能症例はもちろん治癒切除不能症例にも薬物(化学)療法・放射線治療(他施設に依頼)を駆使し治癒切除手術ができ根治に至るよう集学的に治療しています。手術は腹腔鏡下手術を積極的に行っており、各種大腸癌手術はもちろんのこと、標準手術では永久的人工肛門が必要となるような下部直腸癌に対しても究極の肛門温存手術と言われる内肛門括約筋切除術(ISR)を腹腔鏡下に行っており、肛門機能温存率は沖縄県内トップであると自負しております。さらに、再発症例や高度進行症例に対しては仙骨合併切除や骨盤内臓器全摘術などの拡大手術も経会陰的鏡視下手術も併施し行っており紹介を受けることも多いです。また、肝臓や肺に転移のあるような場合でも、県内外施設利用も含めた集学的治療を積極的に行っており、従来治癒切除不能であった症例も根治が可能になる様努めています。治療でお困りの際はぜひご相談ください。


【炎症性腸疾患(IBD)】
 クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に対する多種手術も消化器内科医と連携をしながら行っています。腹腔鏡下大腸全摘術も数多く施行しています。


【肛門疾患】
 痔核・裂肛・痔瘻・肛門周囲膿瘍に対する治療を専門的に行っています。手術のみでなく内痔核注射治療薬「ジオン」による治療も行っています。また女性患者は女性医師が担当しています。

専門外来

  • 肛門外来(金曜午後、担当:古波倉)
  • 甲状腺腫瘍外来(水曜午後、金曜午前 担当:長嶺)
  • 肝胆膵外来(火曜午前、担当:亀山)
    (金曜午前、担当:伊志嶺)

診療実績

2021年2022年2023年
食道手術643
胃・十二指腸手術182115
結腸切除術8110490
直腸切除・切断術293233
人工肛門関連手術353646
腸閉塞手術121223
虫垂切除術575145
胆嚢摘出術(胆嚢癌以外)181195204
膵切除術233253
肝切除術223429
甲状腺・副甲状腺関連手術152932
鼠径・大腿ヘルニア手術405666
痔核・痔瘻・肛門関連手術605669
その他119136142
合計698798850

担当医師と専門分野等

氏名 卒業年 専門分野 学会専門医・他

伊志嶺 朝成
病院長


1988年 消化器外科
肝胆膵外科
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医・評議員
亀山 眞一郎
外科主任部長
内視鏡外科部長
1989年 消化器外科
肝胆膵外科
内視鏡外科
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本肝胆膵外科学会 肝胆膵外科高度技能専門医・評議員
日本膵臓学会 認定指導医
長嶺 義哲
外科部長
診療録監査室室長
1984年 消化器外科
甲状腺外科
日本外科学会 外科専門医
日本内分泌外科学会 専門医
日本甲状腺外科学会 専門医
日本甲状腺学会 専門医
日本救急医学会 救急科専門医
佐村 博範
下部消化管外科部長

1990年 消化器外科
大腸肛門外科
骨盤外科
大腸癌化学療法
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科認定医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医・評議員・九州支部評議員
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
沖縄県大腸疾患外科研究会代表世話人
Okinawa Colorectal Cancer Symposium代表世話人
大腸がん啓発活動ブルーリボンキャンペーン沖縄県アンバサダー
がん集学的治療研究財団臨床研究開発・推進委員(沖縄委員)
The Best Doctors in Japan 2020-2021
新垣 淳也
大腸肛門外科部長
1994年 消化器外科
下部消化管外科
肛門外科
琉球大学医学博士
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医・評議員・九州支部評議員
日本内視鏡外科学会 技術認定医(消化器・一般外科領域・大腸)
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本臨床外科学会評議員
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会評議員
伊禮 俊充
消化器外科部長
1999年 消化器外科
肝胆膵外科
広島大学医学博士
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本移植学会 移植認定医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本肝胆膵外科学会 肝胆膵外科高度技能専門医
日本肝胆膵外科学会 評議員
日本胆道学会 認定指導医
日本膵臓学会 認定指導医
日本静脈経腸栄養学会 TNT研修 受講
金城 直
肝胆膵外科部長
2000年 消化器外科
肝胆膵外科
九州大学医学博士
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本肝胆膵外科学会 評議員
堀 義城
外科医長
2004年 消化器外科 日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
本成 永
外科副医長
2008年 消化器外科
肝胆膵外科
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器がん外科治療認定医
日本肝胆膵外科学会 評議員
日本腹部救急医学会 腹部救急認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(消化器・一般外科領域)
山城 直嗣
外科副医長
2010年 消化器外科 日本外科学会 外科専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器がん外科治療認定医
原田 哲嗣
外科副医長
2014年 消化器外科 日本外科学会 外科専門医

古波倉 史子

1981年 消化器外科
下部消化管外科
肛門外科
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科認定医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医